ここでは実際のアライメントが悪いクルマの例でご紹介しましょう。
車種例:四輪駆動車
サスペンション形式:
F/ダブルウィッシュボーン+コイルスプリング
R/トレーリングリンク車軸+コイルスプリング
特徴:コイルスプリング交換により2インチの車高アップ
タイヤ・サイズを純正サイズ265/70R16から、265/75R16に変更
状況:ハンドリングが悪い、タイヤが片磨耗している
まずこちらをみて下さい。
こちらは自動車メーカーからの当該車種の基準値データです。
この基準値(許容値を含む)は、車種ごとにかわります。
そして、これがこのクルマの調整前のデータです。
★数値の背景が緑の数値は許容範囲内で、赤は許容範囲外です。
測定結果をパっと見てわかるのは、左右でばらばらなことです。
そして許容値外の数値が多いことです。
これを安全に、安心して走行できるように調整します。
ちなみに、このクルマは後輪の調整ができません(車種によって調整できる箇所・範囲も異なります)。
このクルマを私どもオーケイ ヨビケンのスタッフの手により調整してみますと、下記のようになります。
上記調整後の測定データについて、以下にご説明いたします。
まずトゥを見てみます。
左右ともに大きく基準値からはずれています(上記調整前の画面参照)。
トータルトゥで見ると プラス方向で4mm、マイナス方向が0mmまでの間が許容値です。
それがプラス方向でなんと12.1mmという測定結果ですから、約8mmも大きくずれており、かなりの内股な状態になっています
この状態では常にタイヤを引きずっていますので、ハンドリングが悪く、異音もしていたかも知れません。
もちろん燃費に悪影響を与えていることも言うまでもありません。
またトゥのずれがSAIの測定結果にも大きく影響しています。
トータルトゥのマイナス許容値は0mmまでですが、調整値は-0.1mmとし数値上では許容範囲外ですが意図的にマイナス基準値の限界まで調整しております。
これは前述した通り、キャスター値が基準よりも少ないため直進安定性に不安があるため、 トゥを基準値よりもマイナス側にすることでハンドリングに安定感を出すことを目指しています。
これで全体的に左右差がなくなり、基準値付近に調整することができましたので、トータルバランスが良い結果となりました。
特にトゥの値がひどかったわけですが、それが解消されたことがここでは大きなポイントです。
SAI及びキャスターの値は、車高が上がっているため基準に対して大きく変化しています。
トゥの値はキャンバーやキャスターの変化に大きく影響を受けるのです。
続いて、キャンバーとキャスター値を基準値内に収め、左右差をごくわずかとすることができました。
ただこのクルマは車高が上がっているため、キャスター値をこれ以上増やすことができません。
調整後このクルマのオーナーさんは、ハンドルの操舵力が軽くなり、コーナリング中も安定したハンドリングとなり、高速走行性能も劇的に向上したとベタ褒めでした。
またいつも『キュッキュッ』とタイヤが鳴っていた路地を走行しても、もぅ鳴かなくなったそうです。
通常アライメントは「リアが調整できないと意味がない」と考える向きもありますが、この例からもわかるようにフロントのみの調整でも充分体感することができるのです。
オーナーさんが満足していただけただけでなく、またひとつ適切で安全なクルマにすることができました。
このように私どもオーケイ ヨビケンでは、みなさまの大切なおクルマを適切にかつ安全にすることに喜びを感じております。